
例の有名中学生の自動販売機回し蹴りの図。あまりにも「まんま」なので強力にぼかしを入れた
GTX 970のドライバーサポートが切れるというので、仕方なく最低限のRTX 2060を購入したわけだが、前環境ですら困っていなかったので当然2060も持て余している。
Web上では相変わらず「ローカル生成でイラストレーターやアニメーターは廃業」みたいな煽り記事があふれている。それを眺めているうちに、ふと「遅くてもいいから、2060環境でもAI画像生成はできないのか?」と思い立った。
だが、ネットを開けば判で押したように「最低でもRTX 3060(12GB)が必要」「VRAM 12GB未満は人権なし」という言説ばかり。そのRTX 3060の相場はおよそ4万円である。
松屋フーズのロースかつ定食なら約60回分、サイゼリヤのハンバーグなら100個分だ。持て余すのが目に見えているのに、VRAMが数ギガ増えただけの板に4万円も出す気にはなれなかった。
そこで、いきり立ってGeminiに「全部言う通りにするから導入方法を言え」と頼み込み、言われた通りにSSDへDLしたファイルを配置し、これまたDLしたモデルを指定フォルダに突っ込んでみた。あとはrun.batでとあっさり動いたのだ。
Geminiの言う通りの設定で1枚につき30秒弱。
「なんだ動くじゃないか、RTX 3060必須論とは一体何だったんだ?」
今回導入したモデルは「Illustrious-XL(v0.1 / SDXL系)」。
解像度は「832×1216」という、SDXL特有の少し不思議な縦長サイズ一択で固定している。どうせ生成後の用途など、ベッドの中でスマホを片手に眺めてひとりでムフフと楽しむ程度なのだから、このサイズで何の不都合もない。どうしてもポスターに印刷したい野望があるなら、あとからアップスケーラーをかますという逃げ道もある。
試しにこの環境で版権キャラクターを指定して回してみたところ、とてもではないがSNSなどには放流できないレベルの「モノホン」が吐き出されて戦慄した。
タイムラインで絵師とAIユーザーがナゾのレスバを繰り広げている理由が、完全に腑に落ちた。2060でも30秒ごとに公式クラスの絵がポロポロ出てくるのだから、揉めない方がおかしい。仮に1枚3分かかったとしても余裕で待てる。プロが超速の1時間で描いたとしても20倍速なのだ。しかもここまでで電気代以外1円もかかっていない。
さて、そんな劇薬のようなオモチャだが、RTX 2060(VRAM 6GB)で実用的に運用していくには「思想」が必要になる。試行錯誤の末に見出した運用ルールを書き残しておく。
1. プロンプトは一度及第点が出たら「いじらない」
初心者が陥りがちなのが、1枚ごとに呪文(プロンプト)を微調整して泥沼にハマる現象だ。非力なGPUでそれをやると、待ち時間だけで人生が終わる。
まず1枚、大枠として「これ良いんじゃないか」と思える絵が出たら、プロンプトの調整はそこで終了する。完璧を求めるから精神を病むのだ。妥協こそが低VRAMローカル生成の第一歩である。
ただし、次の大量生成の段階で「明らかに幼児化する」「指定した色を完全に無視する」「腕が3本生えてくる」といった怪異が頻発する場合は見直しが必要だ。そんな時も頭を抱える必要はない。Geminiに「腕が3本生えるんだけどプロンプトどう直せばいい?」とそのまま聞けば、感情のない最適なネガティブプロンプトを淡々と返してくれる。
2. 低ステップ数で「隙間時間ガチャ」を回す
プロンプトが固まったら、サンプリングステップ数を「9〜12」程度まで落とし、6〜9枚のバッチ生成を一気に走らせる(急ぎなら4枚でもいい)。
ステップ数が少ないため1枚あたりは粗削りだが構わない。ここでの目的は、構図と色の「当たりくじ」を引くことだ。
生成ボタンを押したら、画面の前で正座して待つような無駄な真似はしない。
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RPGの雑魚敵と戦闘中
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お手洗いに行く前
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やかんのお湯を沸かしている間
こうした日常のどうでもいい隙間時間にポチッと押し、放置する。用を足して戻ってくると、画面には粗削りなガチャの結果が転がっている。
3. 「芽があるもの」のシード値だけをテキストに放り込む
吐き出されたサムネイルを眺め、「これは構図が破綻していない」「雰囲気がいい」と思えるアタリを1〜2枚見つける。
見つけたら、その画像のシード値(Seed)をコピーし、適当なテキストファイルに無感情で貼り付けていく。この作業に美意識など要らない。ただの淡々とした仕分け作業である(プロンプトを保存する運用にしていない場合は、シード値と一緒にプロンプトもメモしておくこと)。
4. 溜まったシード値で「高ステップ清書」
最後に、テキストファイルに溜まった「芽のあるシード値」を呼び出し、ステップ数を引き上げて(28前後推奨)清書(本生成)をかける。高解像度が欲しいならアップスケールもご自由に。
なお、ステップ数を変えるとラフと構図がガラリと変わってしまう事故も起きるが、泣いてはいけない。シード値をメモしたんだからそのまま低ステップで生成し直せば良い。
というわけで、今回のRTX 2060による画像生成は大成功だった。その辺の導入解説サイトはみんな宇宙語で書かれているので(わざとなのか?)、AI(Gemini等)の言うことに100%従うやり方を強くおすすめしたい。あとSSDの空き容量だけは事前にしっかり確保しておくように(最低でも50GB。本体+モデル数個で30GB取られる)


